皆さん、こんにちは。
フルカウントのジーンズは「ジンバブエコットンを使っていて穿き心地が良い」「パジャマとして着て眠れる」という噂を聞いたことがありませんか?ありますよね。そしてその噂、本当です。フルカウントはパジャマとして寝れちゃうくらい穿き心地が良いのです。
そんなフルカウントのジーンズの魅力に本日は迫っていきましょう。
※一部フルカウント公式HPから画像を引用しております。https://fullcount-online.com/products/0105w?variant=46492649259264
- しなやかな生地なのに、色落ちがこんなに良い!
2. Lot0105のゆったりシルエットの秘密
3. フルカウントはディテールもGood!
1.フルカウントの生地はしなやかなのに色落ちが良い。
早速色落ちを見ていきましょう。着用1年と1ヶ月程度です。平日は仕事のため、なかなか着用できませんが。通勤と休日はジーンズを着用しております。

洗濯回数はワンウォッシュで購入してから3回ほど洗濯しました。10~4月は中にタイツを着た上から穿いているため洗濯回数が少ないです。ボタンフライの色落ちがとてもくっきりと現れてくれました。

小股ボタンの色落ちがくっきりと現れると全体の色落ち感がとても強くなります。ヒゲの色落ちも生地が柔らかいためか大味になりすぎず、複数の色落ちが平がっているのが私の好みです。私なりに結構良い感じに育ってきたなぁと思っていますがネット上で画像を探すともっともっと素敵な色落ちの人はいっぱいいます。でも、自然な雰囲気ながらもしっかり育っていて、これからもどんどん良くなってくる空気をばんばん感じます。

ヒゲの箇所を寄って見てみましょう。

このぐらいよると色落ちが細かく見れます。ヒゲも一直線に落ちているというよりは細かい線分が連なって、ヒゲの色落ちを形成しているような感じです。やはりしなやかな生地は色落ちもミクロに見ると、細かく落ちるように感じます。


上記2枚の写真は構図がほぼ同じですが、ピントの当てる箇所を変えています。こうしてみるとヒゲのように強く色が落ちている箇所は点で色が落ちており、2枚目のようにそこまでメリハリがあるとは言えない箇所は糸に沿って線落ちしているように見えます。

裏返して緯糸を見てみると、均一的に安定した糸のように見えます。よくあるレプリカジーンズのざらざら感やネップ感とは全く異なります。ジンバブエコットンの繊維の長さという素材の特性も相まって、しなやかで肌当たりが非常に良い生地になっているのでしょう。
蛇足ですが、「緯糸はフルカウントのようにしなやかに、経糸は荒々しいものを使えば、肌当たりと色落ちのメリハリが両立しやすいのでは?」と思いましたが、とっくに世のジーンズはそう作られていそうです。
柔らかい生地だと色落ちが微妙では?という心配は無用!!安心して穿きこむことが出来ます。
2. Lot0105のゆったりシルエットの秘密
まずフルカウントの各モデルのディテールは共通です。1953年頃までのモデルをベースにしています。各モデルのディテールと生地は共通なので、後は自分の好みのシルエットを選ぶだけ、という展開です。逆に言えば、フルカウントの最高の生地とディテールを好みのシルエットで楽しむことが出来るという事です。

上記の画像は少し古いものなので、現在の価格とは差があります。しかし製品そのものは現行であるため、シルエットの参考にはなると思います。ちなみに私が穿いているのは0105というものなので、フルカウントの中では最もシルエットが太いジーンズになります。
最もシルエットが太いジーンズではあるのですが、その太さの割にすっきりとした雰囲気なのが0105の大きな魅力です。
その太さの割にすっきりとしたシルエットの秘密は、「前後の股上の差」にあります。フロントの股上は浅く、背中側の股上は深く設計されています。その結果太さにゆとりはあるのですが、腰にしっかりとフィットさせて穿くことが出来るので、スラっとした印象になります。ゆったりとしたジーンズが好きだけど、だらしない雰囲気になっちゃうかなぁと心配している人はこの0105は特におすすめです。

この股上の前後差によるすっきり効果はかなり高いように感じます。特に後ろから見たときのお尻のだらしなさというものがすごく軽減されているように感じます。ましてや斜めからのシルエットはとても綺麗です。


0105はゆったりとしながらもすっきりとした印象の最高のシルエット!
3. フルカウントはディテールもGood!
フルカウントのジーンズは1953年のモデルをベースにしているようです。と言っても、年代判別として分かりやすいディテールは赤タブが両面刺繍なのか、それとも片面かという部分ですが、そもそも現行フルカカウントには赤タブが付いていないので1947モデルとの見分けは付きません。強いて言うならば、リベットの刻印が判別になるかなぁと思いますが、刻印の位置がリベット中央に寄っているのでむしろ1947なのでは…?と私は思っています。

正直、私は年代判別の知識に乏しいので誰か詳しい人がいたら教えてください。0105は1953年のモデルらしいのですが一体どこでどう判断しているのでしょうか。リベットの反射は新品の状態ではかなりきらっきらです。しかし、徐々に反射が鈍くなりますので、色落ちが進んだ中でリベットの反射が悪目立ちするという事はありません。新品時の反射の強さから心配する人もいると思いますが、ご安心ください。しっかり色落ちに溶け込むように色味が変化していきます。
革パッチは私の中では高評価です。よくあるLevi’sのツーホースパッチのオマージュでないという点がまず良いです。Levi’sの革パッチを模すデザインはもう分かったよ、というのが近年の私の感想です。

革が反射して非常に見にくいですが、2匹の龍が向かい合っているデザインです。和なのか洋なのか分かりませんがとにかく素敵なデザインです。そして、まさにこの生地を書きながら、革パッチのデザインをよくよく見てみたら龍じゃなくてドラゴンですね、これ。和じゃなくて洋でした。これはドラゴンです。購入時は驚くほどカチカチだったパッチも徐々に柔らかくなってきました。とは言えあんまり分かりやすい経年変化をするタイプの革質ではなさそうです。

現行のフルカウントはバックポケットの飾りステッチも赤タブも廃止されてしまったので、分かりやすい見所は少ないですがその分縫製仕様はとても印象的に映るようになりました。

隠しリベットの当たる箇所の経年変化はまだあまり進んでいませんが期待は大きいです。バックヨーク、ポケット口などのパッカリングがとても魅力的です。以前はTCBジーンズがフルカウントのOEMを行っていましたが、現在はどうなのでしょう。

トップボタンは1年ほど穿いてようやく、塗膜の一部が剥がれ始めました。下地の反射が見え始めてテンションが上がっています。しかし、1年穿いてこれしか剥がれないのであれば後何年穿けばよいのか気が遠くなります。

ちなみに裏面はこのように下地が現れています。当然、下地は銅素材なのでブロンズの輝きが見えます。早くトップボタンにブロンズでブランドネームが浮かび上がる様子を眺めたいです。
各副資材や縫製仕様による経年変化も大きな魅力
まとめ:フルカウントはこんな人におすすめ!
フルカウントについて紹介してきましたが、改めてフルカウントがどんなジーンズなのかまとめたいと思います。
まず、生地の評判について。フルカウントは生地についてやたら良い噂を聞きます。フルカウント穿くと他のジーンズ穿けなくなるとか、パジャマとして穿けるとか、眉唾ものの噂をいっぱい聞きます。この噂、本当でした。他のジーンズ穿けなくなるはオーバーだとしても、他のジーンズを穿いたときにちょっとしんどさみたいなのは感じました。でも、まぁどっちも良さがあるよねみたいな感じで、感覚は戻ります。
それで、その「穿き心地の良さ」ってのは複数の要素が絡んでいると思います。
①生地の肌当たり
②生地の伸縮性
③シルエットの動きやすさ
この3つが大事だと思います。①の生地の肌当たりは穿き心地というより、触り心地に近い要素です。当然、穿いたときの話なので緯糸が重要です。緯糸については既に触れましたが、他のレプリカジーンズの生地に比べてネップ感が低いです。見た目で分かるくらいに違います。店頭でフルカウントの生地を実際に触って確かめたいという人は当然ながら、ジーンズの裏側の肌に当たる面を触りましょう。これは私も最近になって気が付きました。お店とかでジーンズの生地を触るときに本当に触るべきは表面ではなく、内側であると。考えてみればそりゃそうです。表側ばっかり触っていましたが、考えてみればその面に触れることは滅多にないのです。
②フルカウントは生地の伸縮性が高いから動きやすくて、その伸縮性ゆえの「動きやすさ」が「快適な穿き心地」に繋がっているのではないかと考えていました。そこで、生地の伸縮性というポイントを確かめるために色んなジーンズの生地を引っ張って伸縮性を感覚的に判断するという非常に曖昧な手法にて検証してみることにしました。色んなジーンズのバックポケットに手を突っ込んで生地を引っ張って、確かめてみることにしました。結果は「全然よく分からない」。
一つ言えるのは穿きこんだジーンズの方が新しいジーンズよりも伸びる気がする、という事でした。じゃあ、生地の伸縮性で動きやすいと感じているのではなく、どちらかと言えば摩擦係数が少ないために動きやすく感じるのではないかという話になってきます。そして、こうなるとどちらかと言うと①の要素に近くなります。番手が細く、ネップも少ないために下着や肌との摩擦が少なく、生地の抵抗を感じないという方がずっとしっくり来ます。結論、生地の伸縮性は他社のものとそこまで差はない気がします。①の生地の肌当たりの良さという要素が、フルカウントの生地の評判に与える比重がより重そうという方向になりました。
③シルエットの動きやすさ。これは0105という1品番のみに限られた話であり、かつ私の体格にとっては、という非常に限られた条件での話です。私は、ウエストに比べて足がなんか太いという、下半身がデブ体型です。そんな私にとって0105は腰にしっかりサイズを合わせて穿いても、脚が窮屈じゃないとても神がかり的なフィット感なのです。これまでのジーンズは足が窮屈でない太さにするとウエストがガバガバになってしまうことが多く、サイズ選びは何が正解かさっぱり分からなくなっておりました。
さて、このシルエットという要素が私の中のフルカウント評において、もしかして最も比重の重い要素なのかもしれません。そうなれば皆さんがフルカウントを穿いてみたときに「あれ…なんか穿き心地聞いてたほどでなくね?」となる恐れがあります。でも逆説的に言えば、多くの人は0105を穿いて動きが阻害されるシルエットだと感じることはないでしょうから、シルエットで履き心地がマイナス評価されることなく、生地の良さを体感することが出来ると思います。
というわけで色々ごちゃごちゃ言いましたが、フルカウントは本当に生地がしなやかで穿きやすいです。ただし、店頭で試着した瞬間に分かるというものでもないので、ぜひ穿きこんでみてください。穿き心地云々を抜きにしても色落ちだけで十分楽しめるジーンズです。
それでは皆様が良きジーンズライフを送れますように!
フルカウントは穿き心地が最高!でも穿き心地抜きにしても良いジーンズ!