ジーンズに興味を持ったなら、絶対に一度は穿いてほしい国産最高峰のレプリカジーンズが1001xxです。
レプリカジーンズを語る上で絶対にスルー出来ないブランドがWAREHOUSE(ウエアハウス)です。1995年、大阪に誕生し、以来今日までアメカジ業界を牽引する中心的なブランドです。そして、そんなWAREHOUSEのフラッグシップのジーンズが1001XXというモデルです。
一度は絶対に穿いてほしいし、穿けばそのすばらしさが分かる、そんなジーンズが1001XXです。私自身、初めてのレプリカジーンズは1001xxでした。そして今日までレプリカジーンズが好きでいる根底にWAREHOUSE1001xxがあります。今回はそんな1001XXの魅力をご紹介していきたいと思います。


そんなWAREHOUSEのフラッグシップモデル1001xxがどうしてこんなに支持されているのか、きっと他のブログには記載されていない情報があるので最後まで読んでみてください。
- 1950年代のXXモデルを再現している
- 多くのジーンズ好きから支持されている
- 色落ち・副資材・縫製すべての要素に魅力が詰まっている
1950年代のLevi’s501XXを再現している
「1950年代のジーンズ」から、さらに細かく分類するのであれば「1954年の革パッチ最終モデル」を再現している、と言えるのですがそこまで細かく考えない方が幸せです。ざっくり50年代、と思っておきましょう。
では1001XXの各ディテールを見ながら、その時代の特徴も併せて紹介します。
※ここからの画像は下記のWAREHOUSE公式から引用しております。https://www.ware-house.co.jp/?pid=132358411
まずは前面から見ていきましょう。
50年代のジーンズですのでリベットは打ち抜き式です。

トップボタンには白い塗膜が施されています。穿いて行くうちにどんどんと塗膜が剥がれていき、下地の金属の光沢が現れると一気に格好良さが増していきます。(写真は7~8年放置してしまったので黒くくすんでいますが、本来はもっとキラキラとしています。)
こういった経年変化がジーンズの大きな魅力の一つです。


さらに地味ですが、このトップボタンのとこに斜めに走っているステッチをV字ステッチと呼びます。時代によってこのステッチも形状が変化するので視覚的に楽しめるポイントです。


フロントボタン(小股ボタン)も経年変化がとても楽しめるポイントです。先述の塗膜剥がれによる経年変化もそうですが、さらに色落ちも楽しむことが出来ます。


続いて、後ろ側を見ていきましょう。
ジーンズの後ろ側は見所がたくさんあります。色落ちが進んでくると前に目が行きますが、後ろは年代によるディテールの変化や、縫製の面白さが詰まっていて、前とは違った魅力がいっぱいです。

革パッチは鹿革を利用して柔らかな質感。1955年以降は紙パッチへと変更になるので、1954年までのディテールとなります。


また、後ろ側中央のベルトループが中心からずれていることをオフセットと言います。
(中央について生地の縫い合わせとベルトループが重なることをオンセットと言います。)


気づいた方もいるかもしれませんが、「1001XXは1954年モデル」というのはこの2つのポイントから判断できます。
①「革パッチを付いている」→1954年以前のモデルであることが分かる
②「ベルトループがオフセット」→1954年以降のモデルであることが分かる
①、②より自ずと1954年の仕様なんだね、と分かるわけです。
バックポケットも見所がたくさんあります。
・赤タブ(WAREHOUSEでは赤い糸の縫製により表現)
・隠しリベット
・飾りステッチ(WAREHOUSEはモデルにより採用されていたり、いなかったり)
経年変化するとこんな感じになります。すごく表情が変化しているのが分かります。


隠しリベットは新品の段階では全く存在感がありませんが、色落ちが進むとその存在が際立ってきます。
多くのジーンズ好きから支持されている
これは完全に主観になりますが、1001XXを悪く言う人を聞いたことがありません。
・私が何度も修理を依頼した都内のリペアショップの方:「WAREHOUSEの生地が最も良いと感じる」
・知人(近づき難いほどコテコテのアメカジ男):「WAREHOUSEとフルカウントの生地が結局一番良い」
…とまぁ、私の周辺の知人は多くないので、多数の支持というほどではないかもしれませんが、ネットの評判を見る限りでもやはり1001XXはおおむね高評価、特に生地に対する評価が高いようです。
もちろん生地をどういう視点から評価するのかは人によって異なりますが、(履き心地なのか色落ちなのか等)バナーデニムに関して言えば、「色落ち」というポイントが最も評価されていると感じます。
ですので、逆に言えば「色落ちが進むまで評価されにくい」とも言えると思います。
バナーデニムの良さを理解するにはある程度の時間と、根気が必要かもしれません。
私自身はこのバナーデニムを使用したジーンズを5本穿きました。という程には気に入っている生地です。
もう5本も穿いたのに、またバナーデニムのジーンズを穿きたいなと思ってしまっています。(困りました。)

生地・副資材・縫製、すべてに魅力が詰まっている
これは完全に私の主観による、他社製品との相対評価です。
①生地:色落ちが本当にヴィンテージの実物と見間違うほど。
これは実際に私が体験したことで、ウエアハウスの色落ちしたジーンズだと思って手に取ったら、ウエアハウスではなくLevi’sのヴィンテージだったということがありました。
②副資材:細部の作りこみがすごい
リベットの刻印一つとっても、リベットの穴からはみ出す糸を見てもWAREHOUSEは作りこまれているなと感じます。
リベットの間からはみ出す糸のことまで計算しているなんてことはないでしょうから、私の思い込みですが、そう感じさせてしまうような説得力がWAREHOUSEのジーンズには宿っています。
③縫製仕様の素晴らしさにはずっと後で気づく
縫製なんてポイントは最初は分かりません。私もレプリカジーンズというものを穿くようになって、何年も何年も経ったずっと後で、縫製の重要性に気が付きました。
新品の時点では、糸がオレンジ色だなとか、黄色だなとか、裾がチェーンステッチだくらいしか気にしませんでした。しかし色落ちが進んでくると、ジーンズ全体の雰囲気に対して「縫製糸だけが浮いてしまう」ということが起こります。ジーンズの調和の中に縫製糸だけが馴染めず、強い違和感を発するという残念な経年変化となる製品もあるのです。
とは言え、その縫製糸の違和感というのは新品の段階で見抜くというのは困難です。ですので縫製仕様というポイントも何本か穿いているうちに自然と気にするようになってくると思います。
WAREHOUSEの縫製は全体の経年変化に溶け込み、魅力の一つとなるので安心して穿き続けることが出来ます。
- 最も正しく古いジーンズの糸の傾向を反映しているデニム生地であると言えるため
- シルエットが紳士的な服装にもマッチするため
- コスパが圧倒的に優れているため
最も正しく古いジーンズの傾向を反映しているため
1001xxでは「バナーデニム」と呼ばれる生地を使用しています。
この生地は「バナー」と呼ばれるリーバイスの販促用の店頭の広告の生地を基に制作されています。
(その広告にデニム生地を使用することで、生地の良さをアピールしたようです。)

↑のものとは年代が異なる1930年代のバナーを基にウエアハウスはバナーデニムを製作していますが、バナーのイメージはできると思います。
本来、レプリカジーンズというジャンルにおいて「古い生地を再現する」という場合には、当時のジーンズを解体して糸を分析する、という方法が一般的です。しかし、そうするとジーンズから取れる1本の糸の長さはジーンズのサイズ内に限定されてしまいます。
一方、バナーから糸を採ると大きい生地から糸を採るため、織機の幅そのままの糸が採れるわけです。つまり再現するためのサンプル(糸の長さ)の母数をより大きくすることが出来ます。
そうなればバナーを基にする方がジーンズという範囲よりもサンプルの母数が大きいため、糸の傾向をより正しく反映できる、というのがバナーデニムの最大の強みです。
つまり、ウエアハウスのバナーデニムは他社の再現方法に比べて、
理論上、「当時のデニムを最も正しい傾向で再現している」と言えます。
↓わたしが穿いた1001です。右は古い1001XXのためシルエットが異なります。


ここからはさらに細かい話になりますが、
「1001XXは50年代のジーンズなのに、どうして生地のもとにしているバナーは30年代の物を使用するの?」
「バナーも50年代の物の方が年代の整合性が高いんじゃないの?」という疑問が浮かびます。
そこで、WAREHOUSEに直接問い合わせることにしました!!
下記が回答です。
2007年に発売された「1001」からこのデニムは始まりましたが、800.900とこの1001につきましては
特定の年式のジーンズを復刻させたものではなく、生地と縫製、シルエットに特徴のあるものを
オーセンティックなジーンズとして発売させた経緯があります。
このような理由と、「バナー」をベースにしたときに、1920年代~30年代に製造されたこの
「ファーストバナー」以降は、ジーンズに使うデニムではなく廉価なデニム「バナー専用に作られたデニム」
(例セルビッチが平耳など)が考えられます。年代は古いものではありますが、1001のデニムという弊社の看板デニムを作る際に原点に立つという意味でもこの最古のバナーを分析することになりました。
つまり、1001XXは50年代のディテールをベースに設計しているけど、あくまでXXモデルの典型のようなジーンズを目指しており、生地に関しては30年代のバナーを用いているのは前述のサンプル母数の恩恵を受けつつ、そもそものバナーの生地も高品質な良品を用いていると考えられるからということになります。
内容云々以上に、正直こんな質問に真摯に回答をもらえたことに驚きました。
シルエットが紳士的な服装にもマッチするため

写真を見てもらうのが最も分かりやすいと思います。膝から裾に向かって緩やかにテーパーしています。
W28を着用していますが、痩せていた時期に買ったものなので、お腹を無理やり抑え込んで穿いています。通常であれば+3インチくらいはほしいところです。シルエットに良い意味で癖がないので、幅広い服装に合わせることが可能です。色落ちを楽しむためにはどうしても長い時間ジーンズを穿く必要があるので、色々な服装に用いることが可能という点は重要です。
ジーンズというアイテムですが品の感じるシルエットなので、30代中盤以降の男性にとってもおすすめです。1001xxにシャンブレーシャツを羽織るようなカジュアルな格好でも、ラフ過ぎない雰囲気にまとまります。
圧倒的なコストパフォーマンス
定価:26,400円(税込)
2025年4月現在でこの価格です。世の物価がそうであるようにジーンズの価格も年々上がっています。正直に言えばこの金額は安いどころか、異常だと思います。価格が32,000円だったとしてもまだ十分安いと思います。
今の市場を考えると、中間的なジーンズの価格帯は27,000円~30,000円くらいが普通の価格かなぁという感じです。
先述のバナーデニムという優れた生地・経年変化の楽しさを教えてくれる副資材・細部にまでこだわった縫製と、あらゆる要素が高いクオリティであるのに、26,400円というのは本当に驚きです。
また、レプリカジーンズというジャンルは強度や耐久性という点も重要なポイントですが、WAREHOUSEは耐久性が非常に高いという分類ではありませんが、平均点の強度は十分にあります。
26,400円で全てが平均点以上、色落ちに関してはトップレベルというジーンズです。(主観ですが)
まとめ・おさらい
いかがだったでしょうか。1001XXの魅力が伝わったなら幸いです。私が心から、自身をもって勧めれるジーンズですので、ぜひ一度は手に取ってみてください。
最後に1001XXの良さをもう一度まとめておきます。それでは、皆様が良きジーンズライフを送れますように!
・業界で最も色落ちの再現度が高い生地(バナーデニムは色落ちも最高!)
・生地、副資材、縫製すべての要素で経年変化が楽しめる
・コストパフォーマンスが非常に高い